地球環境にやさしい「LOHAS(ロハス)」とは?
LOHAS(ロハス、以下ロハスと記載)は地球環境に配慮した概念であり、健康や持続可能性を重視した人々の間で広がっています。ここでは、ロハスの由来や歴史、取り組みの効果などについて紹介します。
ロハスの由来と歴史
ロハス(LOHAS)は、Lifestyles of Health and Sustainabilityの略で、1990年代にアメリカで生まれたマーケティング用語です。健康と持続可能性を重視するライフスタイルを意味するロハスの概念は、健康的で環境にやさしい生活を目指す人々の間で急速に広まりました。
オーガニック食品や自然素材を使用した製品の選択、再生可能エネルギーの利用などがロハスの代表的な具体例です。
ロハスの考え方は日本でもこの考え方は受け入れられ、多くの人々が日常生活に取り入れるようになりました。
ロハスへの取り組みがもらたす効果
ロハスへの取り組みは、地球環境と共存しながら無理なく生活するという観点からさまざまな効果をもたらします。
たとえば自然食品や有機農産物を摂取することにより、化学物質や添加物の摂取を減らせるでしょう。環境面では再生可能エネルギーの利用やリサイクルの推進によって、二酸化炭素の排出を抑え、地球温暖化の進行を抑制する効果が期待できます。
さらに地域社会においても、地元の農産物や製品を積極的に取り入れることで、地域経済の活性化と持続可能性の振興を推し進めます。
ロハスの五大カテゴリーと事例
ひとくちにロハスといっても複数の種類があり、内容によって五大カテゴリーに分類されます。カテゴリーの概要や事例を見てみましょう。
Sustainable Economy(持続可能な経済)
持続可能な経済は、環境にやさしく、長期的に持続可能な経済活動を推進することを目的としています。再生可能エネルギーの利用やエシカル消費が代表的です。
たとえば、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーの導入は、化石燃料の使用を減らし、二酸化炭素の排出削減効果が期待できます。
また、エシカル消費として知られるリサイクルショップの利用やリユース活動も、持続可能な経済の一環です。
Healthy Lifestyle(健康的なライフスタイル)
健康的なライフスタイルは、身体と心の健康を保つための生活習慣を指すカテゴリーであり、有機食品の摂取や運動習慣の導入が重要視されています。
例を挙げるなら、農薬や化学肥料を使用しないオーガニック食品の選択によって健康リスクを減らすことや、定期的なヨガや瞑想の実践でストレスコントロールや心身のバランス維持が代表的です。
Alternative Healthcare(代替医療)
代替医療は、もともと身体が持っている治癒能力を活用して心身を癒やすカテゴリーです。アロマセラピーや鍼灸などが該当します。
アロマセラピーは、エッセンシャルオイルを用いたアロマセラピーはリラクゼーション効果が高く、心身に好影響を与えると言われています。また、東洋医学に基づく鍼灸は、痛みの緩和や身体の機能改善に役立つでしょう。
Personal Development(自己開発)
自己開発は個人の成長や能力向上を目指す活動です。教育やスキルアップ、セルフケアなどが含まれます。
たとえばセミナーやワークショップへの参加は、新しい知識や技術の習得をもたらすでしょう。
マインドフルネスの実践やセルフケアの知識を学習することも、自己理解やストレス管理の一環になり、自己開発の効果が期待できます。
Ecological Lifestyle(エコ・ライフスタイル)
エコ・ライフスタイルは、環境への負荷を最小限に抑える生活を目標にするカテゴリーです。エネルギーの節約やごみの減量、持続可能な資源の利用などが該当します。
たとえばエネルギー効率の高い家電の使用や断熱材を用いた住宅は、エネルギー消費の抑制につながるでしょう。コンポストを利用した生ごみの堆肥化はごみの減量を促進し、自然環境への配慮が可能になります。
地球のために今からできるロハス活動
ロハスの考えを取り入れた活動は、地球環境へ配慮した生活をしてみたいと考える人にとって取り組みやすいものです。
なかでもSustainable Economy(持続可能な経済)とEcological Lifestyle(エコ・ライフスタイル)は毎日の生活や経済活動に密着しているため、実践しやすいのではないでしょうか。
ここでは持続可能な経済とエコ・ライフスタイルのカテゴリーから、それぞれの活動事例を紹介します。
Sustainable Economy(持続可能な経済)
持続可能な経済は、環境への影響を最小限に抑えながら、経済的な利益を生み出すことを目標にしています。消費者としての選択や企業活動の方向性が重要な役割を果たすことがこのカテゴリーの特徴です。
事例①
持続可能な経済の例として、エシカルファッションの選択があります。
エシカルファッションとは環境や社会に配慮した方法で生産された衣類やアクセサリーなどのファッションの総称です。
たとえばオーガニックコットンを使用した製品や、公正な労働条件(フェアトレード)で作られた製品の選択は、エシカルファッションの一環といえるでしょう。このような製品の選択方法によって、環境汚染を減らし、生産者に適切な賃金を支払い、地球環境や社会的な労働状況に持続的な好影響をもたらすことが期待できます。
消費者がエシカルファッションを支持すればするほど、企業は持続可能な製品の生産を増やす可能性が増え、全体的な市場の動向を変える力にも成り得るでしょう。
事例②
地産地消の推進も、持続可能な経済を考える際には外せません。地産地消とは、地元で生産された食品を地元で消費する流れを指しています。
輸送による環境負荷を減らしたり、地元の魅力を再発見・発信したりすることで外部からファンや新たな消費者を招き入れるなど、地元地域の経済活性化させる効果があります。
たとえば、地元の農家から新鮮な野菜や果物を購入することは、輸送に伴う二酸化炭素の排出を減らし、農家の収入を直接支える効果が生まれるでしょう。
また、地元の市場やファーマーズマーケット、直売所、地元の食材を使った飲食店などに足を運べば、地域コミュニティとのつながりも深まります。
このような取り組みは環境保護と地域経済の両面で大きな効果が期待できるため、個人だけではなく、地域の事業者や企業、行政などで連携・協働する方法も適しているでしょう。
地産地消に関して知りたい方はこちらの記事もご確認ください。
Ecological Lifestyle(エコ・ライフスタイル)
エコ・ライフスタイルは、日常生活の中で環境への負荷を減らすことを意識したライフスタイルです。具体的には、エネルギーの節約やごみの削減、再生可能な資源の利用などが含まれます。
事例①
エコ・ライフスタイルで代表的な取り組み事例としては、ゼロウェイスト生活の実践が挙げられます。
ゼロウェイスト生活とは、できるだけごみを出さない生活を目指すライフスタイルです。
それほど難しいことに取り組む必要はなく、たとえば買い物の際に使い捨てのプラスチック袋を避け、再利用可能なバッグを持参することや、包装が少ない商品を選ぶことなども十分にゼロウェイストの一環になります。
また、家庭で出る生ごみをコンポストにして堆肥化してもよいでしょう。埋め立て地へ送られるごみの量を減らし、環境負荷を軽減させる効果があります。
コンポストに関して詳しくしたい方はこちらの記事もご確認ください。
事例②
再生可能エネルギーの利用も、エコ・ライフスタイルでは重要な事例です。
太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーは、化石燃料に依存しないため、二酸化炭素をはじめとした地球温暖化物質の排出を大幅に削減する効果があります。
身近な取り組みであれば、自宅に太陽光パネルを設置してみたり、電力会社が提供する再生可能エネルギーのプランを選んだりするなどが挙げられるでしょう。
家庭のエネルギー消費が環境に与える影響を最小限に抑えられるため、毎日の生活で取り入れやすい方法です。
G-Placeのサービス紹介
G-Placeではロハス生活に取り組みたい人が利用しやすいサービスを提供しています。持続可能な生活のサポートにぜひご利用ください。
ここでは、その代表的なサービスである「ごみサク」と「タベスケ」について紹介します。
ごみサク
ごみサクは家庭やオフィスで出るごみを効率的に分別するために活用できる分別事典サイトです。
ごみとして処分したいものの、分別がはっきりしない、この捨て方でよいのだろうか…と迷ったときに、自治体ごとの捨て方が調べられます。
エコ・ライフスタイルでは適切なごみの処分も重要な活動です。適切な分別はリサイクルやリユースを推進し、焼却処分を減らすことにつながるため、環境に配慮した生活をしてみたい人はぜひご利用ください。
※現在150以上の自治体が掲載されています。お住まいの自治体の辞典があるかどうか「ごみサク」TOPページにてご確認ください。
タベスケ
タベスケは、食品ロスを減らすためのプラットフォームです。消費期限が近い食品や過剰在庫となった食品を飲食店などが登録し、ユーザーへ割引価格で提供するシステムを提供しています。
タベスケを通してお得に食品を購入するだけで食品ロスの削減にも参加できるため、毎日の生活のなかで無理なくロハス生活をしてみたい人におすすめです。
まとめ
ロハスの活動は現代の生活に多くの変化をもたらします。五大カテゴリーのなかから無理なく取り入れられるアクションを通して、環境に配慮しながら、経済活動や日常生活をより豊かにしていけるでしょう。
ロハスの未来
概念が誕生して以来、ロハスは注目され続けている活動です。SDGsとの親和性も高く、環境保護や持続可能な社会に興味を持つ人々や企業がさまざまな取り組みをおこなっています。
ロハスへの取り組みで、すぐに目に見えるような効果を実感することは難しいかもしれませんが、それでも少しずつ環境への好影響をもたらすでしょう。個人でもできることから取り入れ、ロハスだからこそ体験できる豊かな生活を楽しんでみてください。