株式会社G-Placeでは、2008年から定期的に「全国自治体アンケート」を実施しており、9回目となる今回は「一般廃棄物(以下「家庭ごみ」)処理有料化」や今話題となっている「食品ロス削減の施策」について、取り組みの状況や課題について調査しました。調査結果の一部を今回はご紹介します。
第9回一般廃棄物処理有料化に係るアンケート概要
- 3000世帯以上の市区町村*
- 対象数1,364件、回答数458件、回答率33.6%
- 調査時期:2024年4月22日(月)から2024年6月7日(金)
- 調査方法:誌面及びオンラインフォームによるアンケート調査
- アンケート調査結果:第9回一般廃棄物処理有料化に係るアンケート調査結果
*「令和5年1月1日住民基本台帳人口・世帯数、令和4年(1月1日から同年12月31日まで)人口動態(市区町村別)(総計):総務省」より抽出
家庭ごみ有料化の実態
調査対象となる全国3000世帯以上の市区町村のうち、回答をもらった458件において粗大ごみを除く家庭ごみの有料化率は54.6%でした。2008年に実施した第1回調査(39.1%)から15.5ポイント増加しています。
地方別に見ていくと北海道が96.7%ともっとも高く、一方で東北地方は33.3%にとどまっており、地域によって差があることが分かりました。
家庭ごみ有料化の課題
有料化を実施している自治体がもっとも課題と感じているのは「ごみの不法投棄・不適正排出」で、次いで「手数料等出納業務の安定処理」、「指定袋等の安定流通」、「指定袋等の品質確保」と続きました。
一番課題として多かった「ごみの不法投棄・不適正排出」に関しては2012年のアンケート時より連続でもっとも課題と感じている結果が出ています。各自治体はさまざまな対策を講じているものの、依然として改善や対策が必要であると考えられます。
バイオプラスチックの導入状況
有料化実施済み自治体における、バイオプラスチック素材の指定袋利用について、前回(2021年実施)は「すでに導入している」と回答したのが「6%」でしたが、今回のアンケートでは「15.7%」と約2.6倍に増加しています。一方でバイオプラスチック素材利用への課題や懸念としては、47.2%が「価格の高さと回答しています。前回調査でも同じ項目が最も多く選ばれており、バイオプラスチック素材においてはコスト面が以前として最大の障壁であることが調査から分かりました。また、中にはCO2排出量との費用対効果やバイオマスプラスチック利用の環境対策に関する疑問の声もありました。
食品ロス削減の施策
食品ロス問題に関する社会的関心が高まっていることを受け、食品ロス削減に関する調査も行ってみました。
その結果、62.4%が「食品ロス削減の推進」に取り組んでいると回答しました。具体的な取り組みとして「ポスターや広報誌、ホームページによるPR活動」が一番多く、次いで「出前講座やフードドライブ、料理教室など」「生ごみの堆肥化」となりました。その他スーパーなどの店頭キャンペーン等の啓蒙活動ややフードシェアリングサービスの活用などさまざまな取り組みの回答がありました。
まとめ
今回行った自治体アンケートでは、上記だけでなく有料化の手数料の料金体系や徴収方法、粗大ごみの運営状況等も回答いただいております。気になった方は「第9回一般廃棄物処理有料化に係るアンケート調査結果」をご覧ください。
株式会社G-Placeについて
株式会社G-Placeは創業から一貫して全国地方自治体のごみ関連政策を支援しており、ごみの排出量削減を目的とした制度であるごみ有料化施策をサポートする様々なサービスを提供してきました。2013年には、適切な分別を通してリサイクルを促進するとともに、ごみの適正排出を助けるごみ分別アプリ「ごみスケ」の提供を開始、現在では160以上の自治体に導入されています。
その後も、2021年には自治体向けフードシェアリングサービス「タベスケ」と地産地消を支援するサービス「ロカスタ」など様々なサービスをリリースし、ICTを活用して自治体の抱える課題や解決すべき問題に対して積極的に支援策を提供しております。