自治体のためのチャットボット導入のメリット・デメリットとは?

チャットボット導入のメリット

チャットボットは、人工知能を活用して作られた自動会話プログラムです。企業でも多く導入され、注目を集めており、自治体が導入する際にも多くのメリットが期待できます。

早速、チャットボットを導入する4つのメリットについて見ていきましょう。

住民からの一次問い合わせをチャットボットで対応

チャットボットを自治体サイトに導入すれば、住民からの問い合わせに自動会話で対応できます。そうすることで、問い合わせ対応にかかる人的リソースを節約できるでしょう。
自治体には、住民より日々多くの問い合わせが来ます。問い合わせの窓口は、Webサイト上の問い合わせフォームやメール、電話などがありますが、役所に出向いて対面での対応を希望する人もいます。広報やWebサイトを通じて周知されている事実であっても、「住民がその情報にたどり着けていない」というケースは決して珍しくありません。チャットボットに基本的な質問対応を任せられれば、職員はより高度な質問に集中できるため、限られた人材をより有効に活用していけるでしょう。

24時間対応可能

自治体の問い合わせ窓口は、対応時間が決まっていますがチャットボットを使えば、24時間いつでもすぐに、自宅のパソコンや手元のスマートフォンから回答を得られるようになります。土日祝日や年末年始、お盆といったタイミングでも、対応可能です。

迅速な応答と情報提供

利用者が入力した情報をもとに自動で応答するチャットボットなら、職員よりも迅速な対応が可能です。待ち時間が発生しないため、問い合わせする側もストレスを感じにくいでしょう。たとえば「子どもが急病で相談先を知りたい」「災害に関する情報を把握したい」といったニーズにも、素早く対応できます。
また「今すぐに必要な情報を入手できる」という特性を生かし、観光客向けの案内所としてチャットボットを活用している自治体もあります。おすすめ観光名所やアクセス方法など、瞬時に情報提供することで経済対策にもつながるでしょう。

情報の一元管理

多様な情報を扱う自治体では、その管理体制にも課題を抱えがちです。「必要な情報を網羅した結果、目当ての情報がどこにあるのかわかりにくくなってしまった」といった問題も、チャットボットで解決できます。チャットボットに質問すれば、自分に必要な情報がどこにあるのか瞬時に把握可能です。

チャットボット導入のデメリット

一方で、チャットボット導入にはデメリットもあります。導入前に把握しておくことで、余計なトラブルを防げるでしょう。自治体にとってのデメリットを、具体的に4つ紹介します。

会話の質の低下

自動対応が売りのチャットボットですが、万能システムではありません。事前に想定したQ&Aやシナリオに沿って対応するため、会話の質が低下する恐れがあります。利用者が目当ての情報にたどり着けるとは限らないのです。質問内容によっては、会話が成り立たずに利用者をイライラさせてしまう恐れがあります。

技術的な専門知識の必要性

チャットボットの導入・運用には、技術面での専門知識が必要不可欠です。事前に質問内容と回答を想定したシナリオやコンテンツを用意しなければいけませんし、運用開始後も定期的なチューニングが必要となります。精度を高めるためには、専門知識をもとにしたデータ分析が必須です。対応できる人材を確保できるかどうかが鍵となるでしょう。
専門知識が欠如したまま運用を進めた場合、利用者側から「目当ての情報にたどり着けない」「会話が成り立たない」といった不満が噴出するリスクがあります。運用体制をどう整えていくか、導入前から検討しておくことが大切です。

担当課への適切な誘導の難しさ

チャットボット上に入力された文字から、利用者が本当に望んでいる情報を予測するのは難しいもの。せっかくチャットボットを利用してもらっても、誘導される担当課との間でミスマッチが起きれば、再度問い合わせが必要に。窓口で対応する職員の負荷を増やしてしまいます。

システム障害への対応困難

チャットボット利用中には、予期せぬエラーやトラブルが発生する可能性も。システム障害の原因を把握し、対応するのは簡単ではありません。現場で対応できなかった場合、システム開発元へと状況を伝え、サポートを依頼する必要があります。復旧までに時間がかかれば、その間の問い合わせ負担は増加してしまいます。

チャットボット導入に伴う費用と検討ポイント

自治体がチャットボット導入を検討する上で、ネックになりやすいのが導入費用です。具体的にどういった費用がどの程度かかるのか、見積もり作成や検討しておくべきポイントとともに解説します。

導入費用の概算

チャットボットの導入費用は、シナリオ型とAI型のどちらを選択するのかで費用が大きく異なります。既存のシナリオに沿って定型的な対応を行うシナリオ型は、活用できる場面が限られる一方で、導入コストは低め。10万円前後から導入を検討できるでしょう。より複雑な質問にも対応でき、幅広いシーンで活用できるAI型は、導入費用も高くなります。20万円~100万円程度が相場です。

保守費用と人件費の見積もり

チャットボットは「導入して終わり」ではありません。システムを保守・運用していくためには、相応のランニングコストが発生します。保守費用については、導入検討時に初期費用とともにベンダーへと確認しておきましょう。

AI非搭載型でカスタマイズも行わない場合、月額1万円程度で利用できるシステムもあります。一方で、AI搭載で充実したカスタマイズ開発を希望する場合、月額50万円程度と高額になるケースも。自治体向けチャットボットを導入する場合の月額費用相場としては、15万円程度を見ておきましょう。

毎月必要となる費用としては、チャットボットの運用・管理にかかわる人件費も挙げられますが、チャットボット導入により問い合わせ対応に回される人件費は削減できます。保守費用と人件費を踏まえて、チャットボットを導入した場合としなかった場合で、それぞれ見積もりを作成してみてください。

導入前に検討すべき点

チャットボット導入時に自治体が検討するべきポイントは、初期費用やランニングコストだけではありません。機能やサポート体制についても、しっかりと検討しておく必要があります。機能やサポート体制が限られている製品ほどコスト面での負担は少なくなりますが、いざ運用がスタートした後に、現場が抱える負担が大きくなってしまう恐れがあります。

まずは管理画面についてですが、できるだけシンプルで操作性に優れたものを選択しましょう。自治体職員全員が、優れたITリテラシーを保有しているわけではありません。担当者が無理なく扱えるシステムを選択することが大切です。また自治体にとって、無理なく導入できるシステムであることも重要なポイントになります。自治体での導入実績が豊富なチャットボットであるかどうかも、導入前に確認しておきましょう。

自治体がチャットボット導入を検討する際の注意点

自治体がチャットボットを導入する際、つまずきやすいポイントがいくつかあります。注意点として紹介するので、導入時のヒントとして活用してみてください。

FAQの作成方法

チャットボットツール導入時に、欠かせないのがFAQの作成です。FAQとは「Frequently Asked Questions」の略。日本語にすると「よくある質問」です。

これまでに自治体が質問対応を行ってきたデータがあるなら、それを流用するのがベスト。自治体に対して寄せられる機会が多く、優先順位の高い質問を把握しチャットボットツールに反映できます。

データが残っていない場合、ベンダーやサポート企業が保有するデータをもとに、手を加えるのがおすすめです。自治体向けのサポート実績が豊富な企業を利用すれば、FAQ作成で悩むことはありません。運用当初から、精度の高いシステムを提供できるでしょう。

職員へのトレーニングとサポート

新たにチャットボットツールを導入する場合、自治体職員へのトレーニングが必須です。チャットボットツールに何ができて、どう運用していくべきなのか、正しく理解することで最大限の活用が可能になるでしょう。具体的には、専門家による講義形式でのサポートや実践的なワークショップを開催するのがおすすめです。業務効率化につながるでしょう。

市民への啓蒙活動の実施

自治体サイトにチャットボットツールを搭載しても、実際に使ってもらえなければ意味がありません。市民に向けた啓蒙活動も、導入と同時にやっておくべき業務の一つとなります。サイト上や広報にて積極的に情報を発信するほか、自治体のPRキャラクターを活用するのもおすすめです。キャラクターの認知度アップとともに、チャットボットツールの利用率向上を目指せます。

チャットボットシステムのモニタリングと改善

チャットボットシステムは、運用状況をモニタリングし、必要に応じて手を加え改善していく必要があります。メンテナンスを怠ると、「目当ての情報にたどり着けない、使えないシステム」として認知されてしまう恐れがあります。
AI搭載型のチャットボットツールでは、人工知能が回答結果の正否を学習することで、精度がアップしていきます。システムによっては、このチューニングに長い時間が必要なものも。半自動化や既存データの活用といった工夫により、手間を削減しているものを選択しましょう。

自治体向けチャットボットツール「おもてなしSuite」のご紹介

おもてなしSuite

チャットボットツール導入時には、シナリオ設計や学習データの作成で時間を取られがちです。「おもてなしSuite」ではシンプルで管理しやすいエクセルベースを採用。煩雑な作業を楽にしています。対応した履歴データをもとに、エクセルのQ&Aリストを作成。一問一答形式なので、面倒な条件分岐設計やシナリオ設計は不要です。作成したデータを取り込むだけで、チャットボットツールの運用をスタートできます。

またメンテナンスを行う際も、「エクセル上で質問の追加」→「エクセルのアップロード」というシンプルな手順で対応可能。導入時だけではなく、導入後のチューニングの負担も軽減してくれます。

創業より全国地方自治体の業務支援を行ってきたG-Placeがサポート

自治体がチャットボットツールを導入する上で、重視したいポイントの一つがサポート体制です。「おもてなしSuite」は、自治体への支援実績が豊富なG-Placeがサポートします。
G-Placeの特徴は、自治体向けに特化して導入サポートを行っていること。だからこそ、自治体向けの導入ノウハウが豊富です。問題になりやすいポイントや注意するべき点を踏まえて、導入から運用まで、充実したサポートを提供できます。「まず何からスタートするべきかわからない」といった場合も、ぜひお気軽にご相談ください。

 

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