【一関市・平泉町】紙冊子は簡略化してアプリは詳細に!紙とアプリの賢い使い分けを目指す

岩手県一関地区広域行政組合 一関・平泉ごみ分別アプリ 世帯数約4.8万 担当部署:一関清掃センター

2019年9月に「ごみスケ」をご導入いただいた一関地区広域行政組合様は、2024年には新たな外国語にも対応されるなど、外国人居住者への支援を積極的に強化されています。今回は、分かりやすいごみ分別アプリを目指す同組合のご担当者様に、アプリ導入の経緯から現在の運用状況、今後の展望について詳しくお話を伺いました。

■幅広い層に正しくごみを出してもらうことで減量化へつなげたい

導入前の運用と課題を教えて下さい。

一関地区広域行政組合:一関市では当時、ごみの排出量削減がなかなか進まないという現状課題がありました。そこで、住民にごみの分別や減量について周知したいと考えていたのですが、ちょうどスマートフォンの普及時期でもあったので、若年層や外国人、特に英語圏の方にも利用できる方向性を目指しました。さらに転入者の方にも分かりやすいシステム作りが必要だと考えていました。

数あるごみ分別アプリの中から「ごみスケ」をお選びいただいた決め手はありますか?

一関地区広域行政組合: もともと減量化のためにあらゆる方法を尽くそうと、ごみ分別アプリの導入を決めていました。導入のきっかけは、分別辞典などを活用して正しくごみを出してもらうことで減量化につなげるという目的でした。

「ごみスケ」導入の決め手としては、導入費用が比較的安価であったこと、他の自治体での導入事例が多く、事前に課題を知ることができたこと、そしてサポートが手厚かったことが大きかったです。担当者の方が時間を置かずに疑問に対応してくれたことも、導入の後押しになりました。

あと、ちょうど同じ時期に道路管理アプリの導入も検討していて、G-Placeさんのごみ分別アプリとセットで導入できたことも後押しになりましたね。

■アプリだといつでも最新の情報に更新できる!紙との大きな違い

「ごみスケ」をご利用いただく中で、特に良かった機能はございますか?

一関地区広域行政組合: やはりごみ分別辞典です。これまでは紙ベースで運用していたものが、アプリだと随時更新できてスピーディーに対応できるのが大きなメリットです。
また、ごみ収集カレンダーの更新も便利です。一度アプリをインストールすれば、ユーザー側は何もしなくても運営側で年度分を一気に更新できるので、利用者は常に最新のカレンダーを見ることができます。あと、オプションで追加した資源回収や店舗回収、収集運搬業者のマップ機能や電話機能も大変便利です。現在地から地図検索で経路案内ができますし、表示から直接電話をかけられるのは助かりますね。

アプリを導入したことで紙の冊子を減らすことにはつながりましたか?

一関地区広域行政組合: 残念ながら、まだ減らすには至っていません。スマートフォンを誰もが使っているわけではないので、高齢者の方などには紙ベースがやはりメインです。ただ、アプリをインストールした方からは「大変便利だ」という声は多くいただいています。

G-Place: 数字で成果を測るのは難しい面もありますね。

一関地区広域行政組合: はい。ただ、アプリをインストールしたユーザーの方からは、ごみステーションなどで直接ごみの検索ができたり、カレンダーやテキストを持ち歩かなくてもスマホがあればすぐに検索できるのが便利だという声があります。分別辞典をもっと拡充してほしいという声もあり、定着し始めている感触はありますね。

G-Place: 分別辞典は年度ごとに見直しもあるのでしょうか?

一関地区広域行政組合: そうですね。年度ごとに増やしてほしい品目があったり、最近の商品や材質が変わったものなどは常に新しく修正する必要があります。紙だと一度印刷すると簡単には変えられませんが、アプリであれば最新の情報に書き換えられるのが良い点です。

■アプリを使ってもらえるようにする最大のハードルは最初のインストール

市民の方や職員の方の解決された点などがあれば教えてください。

一関地区広域行政組合: 「便利だ」というユーザーの声や、分別辞典に載っていない品目について意見が出ることは、ユーザーが普段からアプリを利用してくれている証拠だと捉えています。また、英語圏の外国人の方からは、分別アプリを使うと英語で表示されるので「こういう出し方なんですね」と分かりやすいという声をいただいています。

G-Place: 転入者の方への周知方法も工夫されているとのことですが。

一関地区広域行政組合: 転入時には「ごみスケ」のインストール案内チラシをお渡ししています。その他、ごみ収集カレンダーや冊子などの刊行物にもダウンロードコードを掲載し、ダウンロードできる場所を増やしています。
地域で行っているごみ分別教室のような出前講座でもチラシを使って周知しています。インストールして使ってもらえれば、継続的に利用してくれるユーザーになってくれると思っているので、そこまでのハードルをいかに下げるかが重要だと思っています。

外国語の追加について、導入経緯を教えていただけますか?

一関地区広域行政組合: まずは、一関市が進める外国人対応の拡充がきっかけです。生活する上でごみの出し方は非常に重要なので、在住している外国籍の方に合わせた対応が必要だと考え、これまで英語以外に対応していなかった言語の翻訳が必要だという認識に至りました。
フィリピン語、ベトナム語、インドネシア語、そして中国語繁体字を追加したのですが、これらは、岩手県内に在住する外国籍の上位国籍の方々を参考に選定しました。また、組合のホームページでは中国語簡体字、英語、韓国語をカバーしているので、それ以外の言語に対応しようと翻訳を進めました。

外国語を追加する上で苦労したことはありますか?

一関地区広域行政組合: 一番は予算ですね。翻訳業務には費用がかかるので、予算の確保が一番のネックでした。あとはメンテナンスの方法です。導入後の事務負担に関わってくるので、いかに簡略化するかが課題でした。

G-Place:アプリ内で自動翻訳ができるようになると、事務負担も減りますね。

一関地区広域行政組合: 今後改善が進むことを期待しています。ごみスケは、スマホのシステム言語を使って表示されるので、登録された言語を利用している方にとっては大変便利だと思います。立ち上げた時点からその言語で全テキストが表示されるので、利用しやすいですね。ただ、その分修正時のメンテナンスにかかる事務負担の増加につながるため、この点の効率化が今後の課題であり、G-Placeへの期待でもあります。

今後あったらいいなと思う機能はございますか?

一関地区広域行政組合: ごみ分別辞典のボイス検索やAI検索、関連類似検索が充実すると、もっと使いやすくなると思います。今はテキストの一致で検索していると思いますが、あいまいな質問や事例を追加してAI検索ができれば、候補が上がってきて「これかな」と選択できるようになるのが理想です。
検索結果が複数表示されて、ユーザーが近いものを選択するような形だと、使い慣れていない人でも利用しやすくなると思います。

■ごみ分別アプリを一般化して、分別辞典の充実さを目指す

今後のサービス活用について展望はございますか?

一関地区広域行政組合:将来的にはごみ分別アプリの利用者が増加して一般化することで、冊子版の周知媒体から分別アプリが主体という選択肢になればと期待しています。実際に紙のテキストだと最新の情報が載っていないこともあるので辞典を使い慣れたユーザーは「ごみスケ」の分別辞典で確認しているようです。なので今後「ごみスケ」の分別辞典の充実さも改善していきたいです。例えばプラスチックでも柔らかいものと硬いもので出し方が違うといった場合分けをどう表現するか、材質による分別表示も必要だと考えています。

G-Place: 分別辞典がかなり多くなりそうですね。

一関地区広域行政組合: アプリであれば際限なく増やせるので、細かければ細かいほどユーザーにとっては検索でヒットしやすくなると思います。ごみ分別アプリで辞典をデータ化して常に最新版にしていけるのはメリットですよね。冊子のようなごみのテキストは毎回編集できませんし、全戸配布するとなると費用もかかります。アプリであれば一度インストールしてもらえば更新も簡単ですし、一斉にアップデートできるので、アプリが今後普及していければと思っています。紙ベースだと厚くできませんし、細かくしすぎると敬遠されます。分かりやすさ重視で書くのですが、今度は載っていないということになります。それを補完するアプリは非常にありがたい存在です。テキストは分かりやすく簡略化して細かく調べたい場合はアプリを利用。という様にそれぞれのニーズに合った形でごみ分別情報を提供できればと考えています。
あとは、多言語対応でシステム設定言語に合わせたテキスト表示が実現すれば、言語選択なしに全ての言語が翻訳されるようになるので、一つのアプリで全ての言語が利用できるようになると良いですね。
国内には外国人研修生が多く入っている自治体も多いですし、今後多言語を導入する自治体は増えると思っています。

最後に、他の自治体さんで導入を検討しているところへ、何かアドバイスはありますでしょうか?

一関地区広域行政組合: ごみ分別アプリは、出し方などの変更や追加にいかにスピーディーに対応できるかが重要です。ルールの拡充も上限なくできますが、細かくすればするほど事務負担は増えます。メンテナンスは運営側で行うので、あらかじめ計画的に整理して対応していくことが必要です。
あと、システム的にできることとできないことが必ず出てくるので、導入時点で確認し、できることの中で運用を考えていくことが大切です。今回も外国語の翻訳を進める中で、できることを探してきましたので、できる範囲で運用し、できないことはきちんと整理することが重要だと思います。

「一関市・平泉ごみ分別アプリ」の詳細は下記よりご覧ください

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