リユースできる方法とは?
もう使わなくなったものや着なくなった衣類はいつもどうしていますか?
まだ使えるのなら、処分する前にリユースについて考えてみましょう。
この記事では、リユースの意味やリユースするメリット、リユースに関するプロジェクトなどについて詳しく解説します。
リユースでごみ問題を解決しよう!
リユースはごみ問題を解決する考え方や手段として優れた特徴を持っています。まずはリユースの基本や方法、リユースできるものなどについておさえておきましょう。個人のワンアクションがごみ問題や環境問題の改善につながります。
リユースとは何ですか?
リユース(Reuse)は、資源の有効活用を促し、自然環境への負荷を軽減する重要な取り組みです。古くなった衣類や家具などをただ捨てるのではなく、他の人が再利用できるように譲ることで、廃棄物を削減し、資源の再利用を促進します。
「リユース」と似た言葉として、「リサイクル」という言葉も使われることもありますが、実際は異なった意味を持っています。リサイクルは廃棄物の一部から再資源化されるプロセスのことです。
一方、リユースは使わなくなった製品そのものを再利用することを指します。そのままの状態で使われ続けることにより、ごみの量や排出される温暖化物質などを減らすことができるため、環境に優しい資源の有効活用方法だといえるでしょう。
リユースもリサイクルも資源の活用や環境保護に優れた一面を持っています。不要品を処分するときには2つを上手に使い分けましょう。
なぜリユースが大切なの?
リユースの推進は環境保護やごみ処理問題で重要視されているアクションです。
昨今、各自治体では最終的に焼却処分されるごみが増加しています。その際には二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが放出されるのですが、温室効果ガスは地球温暖化を加速させる一因として悩みの種になっています。
地球温暖化の進行は環境や生活に深刻な影響を与える可能性が否定できません。その対策の一環としてリユースが意識されるようになりました。
また、埋め立て処分場の限界も深刻な問題です。ごみの増加に処分場の容量が圧迫され、いずれ処分できなくなることが懸念されています。未利用の製品、まだ使える製品をリユースすることで、埋め立て処分場の負担を軽減させる効果が狙えます。
大量生産や消費により廃棄物が増加している現状を考えると、リユースの重要性は高まるばかりです。持続可能な社会を築くためにも、リユースの取り組みは不可欠だといえるでしょう。
リユースの方法を知ろう!
リユースの方法は多岐にわたります。まず、リユースショップを利用することが考えられます。リユースショップは中古品の買取りや販売が可能な場であり、店頭やインターネットでの取引が一般的です。
また、インターネットオークションを利用することも手軽な方法でしょう。オークションサイトは個人間での取引も簡単になっており、希少価値の高い製品だけではなく、日常使いの製品も取引されます。リユースにはうってつけです。
さらに、フリーマーケットやバザーに参加することも便利な方法です。公園やイベント会場で開催されることが多いフリーマーケットでは、個人が手持ちの不要品を販売し、買い手を見つけることができます。買い手は実際の製品を見ながら購入を検討できる安心感を得られるでしょう。
自治体のリユース施設や交換プログラムを活用することもおすすめの方法です。自治体のリユースセンターや交換イベントでは、不用品の引き取りや再販が行われています。お住まいの自治体のホームページなどで日程を確認し、参加してみてください。
自治体が提供する情報メディアやオンラインプラットフォームがあれば、そちらの利用もおすすめです。地域内でのリユースを促進する可能性も高まります。
リユースできるアイテム一覧
どのような製品でもリユースできるわけではありません。一部ではありますが、リユースできるものをまとめました。処分の際の参考にしてください。
【家電製品】
炊飯器・掃除機、オーディオなどの一般家電。ただしエアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法に則った処分が必要なため除外。
【家具】
テーブル、椅子、ソファ、食器棚、タンスなど。
【日用品やその他】
衣類、自動車、バイク、自転車、食器、キッチン用品、スポーツ用品、ホビー用品、アクセサリー、時計、貴金属、CD・DVDなど
ほかにもリユースできるものは多岐にわたります。手元の不要品がリユースできるか迷ったら、リユース業者やリユース情報サイトなどで確認してみてはいかがでしょうか。
環境にやさしいリユースのメリット
実際にリユースすることにより、いくつものメリットが生まれます。ごみ削減への貢献や資源の節約、意識向上への寄与などが代表的です。それぞれのメリットについて詳しく見てみましょう。
ごみ削減に貢献
リユースは製品をそのまま再利用するため、排出されるごみがほとんどありません。多くの自治体を悩ませるごみ処理問題を改善する一助になります。前述の最終処理場の問題改善にも貢献するでしょう。
排出されるごみが減れば、ごみ収集やごみ処理にかかるコストをカットできる一面も生まれます。人件費や処理費用はもちろん、ごみ収集車が消費するガソリンや排出する排気ガスも減少するでしょう。ごみ処理場で使われる燃料も節約できるようになります。
資源の節約につながる
森林、石油など、地球の資源には限りがあります。たとえば石油はプラスチック原料をはじめ、幅広いジャンルで使われる資源ですが、昨今は枯渇が懸念されるようになりました。過剰な採掘や利用は控えるべき状態になっています。
しかし、経済産業の発展や人口増により消費量は増える一方です。そのためリユースやリサイクルなどを取り入れ、消費量を減らし、資源の節約を意識することが求められています。
また、石油の消費量を減らすことは温室効果ガスを削減することにもつながります。資源と環境の両方を保護するためにも、リユースは効果的な方法として推進されるべきではないでしょうか。
人々の意識向上に寄与
リユースが浸透するにつれ、人々の意識が変化する可能性があります。「まだ使える不要品はリユースショップやフリーマーケットに出す」「食べきれない食品はフードバンクへ寄付する」「まだ着られそうな衣類は中古販売や寄付に回す」など、リユースは個人でできることが数多くあるため、ぜひ意識したいところです。
また、リユースを意識するようになると今度は「出すごみを減らす」「ごみでも資源ごみは分別して出す」といった考え方にもつながるようになるかもしれません。このような考え方もごみ処理問題や環境問題を改善する大切なアクションです。
「ごみサク」で検索しよう
リユースするときには「ごみサク」を利用してみませんか。ごみ問題を意識してリユースするのなら、正しい分別やリユースに便利な情報を知っておくにこしたことはありません。
ごみサクを使えば簡単に分別方法やリユース情報が分かるため、手間やストレスなくリユースを進められるようになります。
「ごみサク」とは?
ごみサクは手軽に検索できるごみ分別辞典サイトです。引っ越しなどでごみの分別方法が変わった、大掃除で出たごみの分類が分からない…など、ごみの分別に迷ったとき、検索するだけで正しい捨て方が分かります。
ごみの分別だけではなく、リユースコンテンツも用意されているため、リユースに興味がある人にも使いやすいサイトです。
ごみサクとともに、衣類の分別を考えている人は「ふくのわ」もチェックしてみてください。布類のリユースとパラスポーツを融合させたプロジェクトです。
「ふくのわ」の特徴
ふくのわ(ふくのわプロジェクト)とは、リユースのために手放される衣類を寄付してもらい、売却して収益金をパラスポーツ(障がい者スポーツ)の振興に役立てるプロジェクトです。
諸外国に比べ、日本は衣類のリユース率が低い傾向があります。年間で廃棄される衣類は51万トン、そのうち約90%が焼却処分や埋め立て処分されており、環境への影響が懸念される状態です。
「なぜ衣類のリユースとパラスポーツが結びつくのか?」と思うかも知れません。パラスポーツ界は支援が進んでいるものの、選手個人や団体の経済的負担の大きさが悩みの種になっています。
衣類のリユースを通した収益金をパラスポーツ団体に寄付することによって、パラスポーツの発展に寄与するだけではなく、環境問題の改善にも協力することができるのです。
「ふくのわ」のリユース方法
ふくのわプロジェクトは不要になった衣類を寄付してもらい、売却した収益金をパラスポーツ団体に寄付するシステムです。
寄付をお願いできる対象は企業、個人を問いません。まだ使える衣類をリユース専門業者に買い取ってもらったり、不定期開催のマルシェイベント「ふくのわマルシェ」で販売したりなどの方法で収益金を生み出します。
寄付する側の負担はかなり軽く、ふくのわやふくのわと提携するパートナー倉庫(原宿倉庫)や提携企業(ブランディア)へ送るだけで手続きが完了します。一部の方法を除き、送料はかかりません。また、直接持ち込める「ふくのわBOX」もあります。
すでに関心を集めている一面もあり、パートナー企業や後援企業、応援企業も現れています。
パートナー企業に富士紡ホールディングス株式会社、後援にフジサンケイグループ、JAFIC(一般社団法人 日本アパレル・ファッション産業協会)、協力に世田谷区・豊島区ほか数多くの企業や団体など、注目度の高さがうかがえます。
ふくのわはリユースとパラスポーツ支援、環境問題改善にワンアクションで参加できるプロジェクトです。リユースしたい衣類があればぜひ注目してください。